Zion and Bagdad Cafe
イノベーターの会社の歩き方・興し方

自動車製造におけるソフトウェアの重要性

少し古い記事なんですが、書き忘れていたので(おい)、アップしておきます。

GM Expects More From Software And Vendors (InformationWeek, 10/25/04)

この記事のメインは二つ。一つ目は、ITアウトソーシングの話なのですが、今回言いたいこととは関係ないので紹介は省略します(興味がある方は原文をどうぞ)。

で、二つ目は、ITが、バックオフィスのサポートのみならず、自動車の生産そのものにおいて重要な役割を占めるようになってきたとのこと。

    Now, software and electronics are the biggest single expense in the production of a vehicle, accounting for a third of the cost, Scott said, and that trend will accelerate. The lines of software code in a GM car, which grew from 100,000 to 1 million lines between 1970 and 1990, will reach a staggering 100 million by 2010, Scott predicted. "What that tells me is that GM's going to have a major software problem between now and 2010, and we're going to need your help," he said. For example, software vendors will be required to include their products in the bumper-to-bumper warranties.

今では、自動車生産に占めるコストの3分の1がソフトウェア になっており、GMの車一台の中のプログラムは、1970~90年の間に10万行から100万行に増え、2010年には1億行に達するであろうとCTOは予測している。

以前、私は、オープン・アーキテクト化のパラダイムシフトは自動車業界に訪れるかというエントリの中で、「現在、日本が自動車産業ではCompetitiveなのは、モノ作りにおける、組織間・部品間の統合度の違いである、という主張があるが、もしかして、自動車そのものがソフトウェア化されていけば、状況は変わって行くのではないか?」と書いたことがあります。

一億行のプログラムというのが、一般のOSや、組み込みのソフトウェアと比べて多いのか少ないのかイマイチ感覚が分からないし、自動車全体の機能に占める重要性はこれだけでは判断できませんが、いずれにせよ、製造工程に占める重要度が年々高まってきていることは事実と言えそうです。

Comments

eurospace

InformationWeekのこの記事、いい記事ですね。

自動車は、かつては単なる「機械の塊」だったわけで、それゆえ故障や不調も、メカニックに詳しい人なら、工場に修理に出さなくても自分で修理ができたわけですが、電子燃料制御装置とか電子機器が増えてくると、だんだんブラックボックス化してきて、個人では修理なんてできない。

いまや、自動車は、「巨大な走る電子機器の塊」と考えたほうがよいと思います。つまり20世紀の自動車と21世紀の自動車は、同じ自動車であれど、相当性質の異なるものになっている。そして、IT革命というのも、パソコンが増えるとか、ネットワークが繋がるとかそういう話ではなくて、このように、あらゆる財がIT化していく、というのがむしろ本質ではないかと思います。バイオもIT化しているしね。

あまり詳しくないので、間違っているかもしれませんが、どうも工作機械も、こういうIT化の傾向を強めているようです。

Tomomi

eurospaceさん、ご無沙汰です。
そういや最近、私のブログには自動車産業ネタがあんまりなかったかもしれませんね。一時はあんなに凝ってたのに(笑)

「あらゆる財がIT化していく」「IT革命はPCの台数ではない」

というのは、とても示唆に富むご指摘ですね。今やPCは完全にコモディティ化してきて(IBMのPC事業売却もその一つの流れかと)遅かれ早かれ、テレビや冷蔵庫と変わらない位置づけになるんだろうなあという気もします。次のイノベーションの前線として考えられるところとして、組込系という可能性は大いにあるでしょうね。

ただ、原文ご覧になると緒分かりかと思いますが、InformationWeekのこの記事の中では、私の取り上げた箇所って、実はかなり枝葉末節なんですよ。だから、かなり我田引水かなあ、とやや冷や汗かいてました。逆に言うと、これがメインじゃない記事なのに目に付いたということは、わたし的には相当ビビビと来た、ということですけどね。

もりもり

ご無沙汰しています。当地では自動車・二輪車のアセンブラ、部品会社が主要なお客さんですので、ご紹介の原典含めて興味深く拝見しました。

僕はもともと車好きなのですが、確かに最近ではチューンナップの一つの方法としてコンピュータの交換(具体的にはプログラムチップを外国バージョンの物と入れ替えちゃう)なんて手段もありますからね。車の作りは同じでも、日本での規制に合わせてソフト的に制限をかけているので、それを解除してしまおうという発想です。物理的なパーツを変えることなく、ソフトの交換だけで実際に出力がアップします。

車そのものに搭載されているITだけではなく、車というモノを作る課程でもITは無くてはならないものになっています。気筒内の爆発や、衝突時の衝撃をシミュレーションしたり、車体や部品のデザインをCADで書いたり。eurospaceさんのおっしゃる工作機械のIT化もまさにその通りだと思います。工作機械といえばNC(数値制御)。具体的に言えばパソコンのシリアルポートからデータを流し込んで工作機械を操る、なんてことが普通に行われています。

最近この業界は好調ですので、おかげさまでNC、CAD関連のハード&ソフトの売れ行きは好調です(^^;)。

Tomomi

もりもりさん、コメントありがとうございます。
私もあれから「自動車製造におけるIT」急にマイブーム?になって、そういう関連の記事を気を付けてみてたんですが、ラインをシミュレーションするソフトとかもあるらしいですね。
あと、自動車メーカーって、売上を考慮してもR&Dの額がとても大きいんですよね。いったい、自動車製造業におけるR&Dのうち、どれぐらいがITに費やされているのか?というのが今度は気になっています。

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